皇室典範の改正を巡って、「男系派VS女系派」という対立があるかのような
議論を見かける。これは不正確だ。
少なくとも、新聞・テレビ・雑誌・書籍などにおける責任ある言論を見る限り、「女系派」なるものは存在しないはず。今の皇室典範の「男系」限定をそのまま維持するか、典範を改正する場合でも男系「優先」は譲れない、というのが男系派の立場だろう。これに対立しているのは、以下のような立場だ。側室不在・非嫡出の継承否認という条件下で、男系限定をいつまでも
維持しようとすれば、皇室の“聖域性”を守りながらその存続を図るのは無理になるので、
男系限定は解除しなければならない、と。
厳密な定義による女系とは、女性から女性へと繋ぎ、中間に男性を全く介在させない。
言い換えると、「女系女子」に限定するということ。
そんな皇位の継承の仕方は、「男系男子」に限定するのと同じように、
一夫一婦制を前提とする以上、行き詰まる他ない。
そうではなく、天皇の血統(皇統)を継ぐ皇族であれば、その天皇の性別に関わりなく、
皇位を継承できるルールにすべきだということだ。
皇位・皇統の尊厳を重く見るか、前近代の元々はシナに由来する男尊女卑をあくまでも
固守するか。
その対立だ。
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